【在宅医療における歯科の重要性】 〜訪問歯科の現状と問題点〜医療法人社団蓮優会 理事長 尾崎元樹 医療法人社団蓮優会 理事長。歯科往診に携わり15年余。大型医療法人で歯科往診部長を務め、2年前に念願の蓮優会歯科往診部を立ち上げる。現在、居宅を中心とした歯科往診を展開。歯科医師、ケアマネージャー、臨床研修指導医。 訪問歯科診療にも注力している世田谷通りデンタルケア(世田谷区砧)。院長の尾崎元樹先生はケアマネージャーの資格も取得している。 ■PART1 〜訪問歯科の現状〜口腔ケアがなぜ重要か〜 ◆はじめに 日本歯科医師会より8020(80歳で20本残存)が提唱されてから20年余が経過し、達成率が25%を超えた。しかし65歳以上の高齢者が占める割合が30%を超え、これからは国の保険、医療、介護政策を無視しては成り立たない。 厚生労働省は年齢別死因実態調査において、90歳を超す高齢者では口腔のケア不良と機能異常により引き起こされる誤嚥性肺炎により命を落とす割合の高さを指摘している。 今までの歯科医療は外来が中心で、来院困難な患者への対応は一部実施施設による歯科往診か病院、施設などに歯科医療者を配置し対応してきたが、全体から見ればごくわずかであり、その意味で歯科診療所は地域で孤立し、他科との連携に乏しく、現在の社会のニーズに十分に応えることができていない。また潜在的な患者を多く抱える歯科訪問診療において、「集団は公衆衛生で、個人は医療で行う」という政府の健康政策にも限界が見えてきた。さらに、診療効率のよい施設のみが受診体制が充実し、診療効率の悪い居宅が見過ごされている実情もある。 この集団と個人(施設と居宅)2つへのアプローチを再構成することが重要だと思われる。歯科医療機能情報の提供や、研修を軸とした地域の受け入れ先としての歯科医療機関のあり方が、今後問われていくだろう。 患者中心の質の高いチーム医療を実践していくためには、専門領域に基づいた医科と歯科の連携が不可欠である。さらに、歯科の設定のない病院では特に、包括的なチーム医療の推進が重要である。そのために歯科医師、歯科衛生士を常勤、非常勤で配置するための総合施策が必要となる。実際、歯科往診を必要としている患者数は、潜在的なものも含め、加速度的に増加している。 ◆真に重要なのは地域ケアマネージャーとの連携 訪問歯科診療で行われる診療内容は、外来で行われるものと同じものと考えられる。在宅療養をしている患者は義歯の不適合、むし歯に伴う歯の痛みや歯肉の腫れ、口内炎の頻度が高いが、これらの多くは訪問歯科診療で容易に対応することができる。口腔内の不具合は食欲の低下につながり、口腔清掃状態の悪化は誤嚥性肺炎の原因にもなるので、定期的に訪問歯科診療を受けることが望ましい。その意味では施設入所者は、居宅要介護高齢者に比較して恵まれているといえよう。 実際の歯科往診への依頼は、介護施設からが圧倒的に多く、診療所や訪問介護ステーションからは少ないのが現状である。さらに、高齢者や要介護者はハイリスクであり、対応できる歯科医師も不足しており、大学や地域での研修や育成システムも同時に求められる。 現在、在宅歯科医療を時間数を別として、歯科大学29校中4校ではいまだ教育すらされておらず、超高齢化社会への対策としては不十分である。しかし現場の歯科往診で真に重要なのは、地域ケアマネージャーとの連携である。ケアマネージャーは多忙であり、また待遇も不十分であることから、ストレスと仕事量に忙殺されている。 ケアマネージャーが抱えている要介護者の口腔内のストレスをすべて把握するのは困難である。したがって、地域が連携し定期的なアンケートを含む洗い出しも重要になるだろう。医療費の問題もあるが、老後、私たちが日本という国でその生涯を安心して全うするためには、必要不可欠な最低限の整備だと思う。 ◆居宅歯科往診の重要性 今までは亡くなるまでの時間を病院や施設で迎えていた高齢者が、現在では安心できる家族や知人の下、住み慣れた自宅で最期を迎えたいと望む世の中になった。 この願いをかなえるべく、生活の拠点を自宅としながらさまざまな介護サービスを受け、健常者に近い満足度の高い生活を求めることは普遍的な願いであり、在宅医療の本質である。高齢者が優遇される道こそが、次世代の若者にとっても日本の未来に希望がもてるものとなる。高齢者が求める場所で、生命の根幹である食と、それに付随する楽しみを回復することが歯科往診の使命ではないだろうか。 これからの超高齢化社会への歯科医療における現在の課題としては、 1.施設など歯科医療紹介システムの充実している状況を除き、居宅への歯科医療への要望や潜在的ニーズを引き出す地域ネットワークや、HP などへの患者や介護側からの能動的なアクセスによる歯科受診 2.高齢疾患(誤嚥性肺炎、感染症、低栄養など)を改善し、介護度そのものを軽減 3.医療連携を中心としたキュア(治療)からケア(疾病予防)への転換 4.地域での介護者向けの口腔ケアの研修(歯科医院や施設での)の実施 5.地域介護チームの結成(すべての関連機関によるカンファレンス)によるケアマニュアル(口腔から全身の)やガイドラインの作成 6.在宅療養支援歯科診療所の機能強化 7.歯科医療に関するケアマネージャー、介護認定調査員との地域ミーティング ◆口腔ケアがなぜ必要か? 医科において、急性期医療は臓器別疾患専門治療と感染予防、栄養管理が行われ、回復期は誤嚥性肺炎の予防と経口摂取の準備にあたり口腔ケアが重要である。これらを遂行するなかで、歯科部門としては口腔からの感染予防、栄養サポート、接触嚥下、口腔ケアが非常に重要であり、退院後医療が特養、ケアハウス、グループホーム、居宅に移行することから、その後のケア連携がさらに重要となる。また要介護者にとりQOL(生活の質)が向上する喜び、自分の口で食事をおいしく食べることのできる喜び、家族と同じ食事をいっしょに食べられる喜び、介護者にとって要介護者が元気になる喜びを得られるためには、介護の量が軽減される口腔ケアは、介護を受ける側だけでなく、介護をする側にとっても大きなメリットをもたらす。 本来、歯科的なケアが提供し得る健康度、生活の自立に関する効果は非常に大きいものと期待されるが、サービスを受ける高齢者のニーズがはっきりしない施設単位の訪問診療では、その100%に近い実施率にも関わらず、必ずしも明確な効果を挙げるには至っていない。口腔機能の改善は、診療室においても歯科医師の技術に依存するところが大きいが、訪問歯科を担う歯科チームには、診療室とは比較にならないアウェーの条件下で、グループホームでは認知症の高齢者に対応する高度な経験が求められ、比較的認知症の少ない有料老人ホームでも、単純に口腔衛生にとどまらない快適な咀嚼機能の回復など、高齢者の抱える「食べる」「話す」問題を改善し、高齢者の生活の質を改善する高い能力が求められている。 ■PART2 〜口腔ケア実践 24のポイント〜 ここからは日本訪問歯科協会HP より、実際の口腔ケアのポイントを挙げていく。 ※:日本訪問歯科協会URL: http://www.houmonshika.org はじめに 1 口腔ケアは誰のために? 抵抗力や体力が落ちている人にとって、口腔内の細菌は大敵である。口腔内の細菌が誤嚥性肺炎の原因となるばかりではなく、血管障害、心臓病、糖尿病などの疾患を引き起こすこともわかってきている。要介護者のお世話をする介護者は日々の介護に追われ、口腔内の異変に気づいた頃にはかなり悪化していることが少なくない。けれども全身の病気を併発したら、入院をしたり、看病にかかりきりになってしまったりで、さらに介護者に大きな負担がかかることにもなり得る。ましてやその疾患は、口腔ケアをすることで予防できる可能性が高いことを認知してほしい。 2 口腔内のケアの状態による全身的影響 ・呼吸器の病気(肺炎) 人工呼吸器をつけるために気管に管を入れるとき、細菌を含む唾液が肺に入ると、「人工呼吸器関連肺炎」が起こりやすくなる。 ・心臓や血管の病気(心内膜炎) 口の中の細菌が血液の流れによって全身をめぐり心臓に付着すると、心臓の内膜や弁に感染症が起こる「心内膜炎」を発症することがある。 ・臓器の感染症(菌血症) 免疫力が低下していると、口の中の細菌が原因で、さまざまな臓器に感染を起こす可能性があります。 ・むし歯や歯周病の進行 手術や薬の影響で唾液が減少すると、口の中に細菌が繁殖しやすくなり、むし歯や歯周病が進行することもある。 口腔ケアには、大きく分けて口腔の「清掃を中心とするケア」と「機能訓練を中心とするケア」があり、要介護高齢者に対する口腔ケアのおもな目的は「誤嚥性肺炎」、「口腔の乾燥」、「口腔機能の低下」を予防することだとされている。 施設訪問は、要介護の施設入所者にとってはある意味で「押しかけ」サービスだが、結果的に眠っているニーズを掘り起こすことができれば、入所者にとってもその価値は高い。また少額とはいっても入所者にとっては本人負担がハードルになるが、障害者手帳をもっている場合などは自己負担分を後日、自治体から還付される制度もあり、これを施設側が代行する例もある。 それに対し居宅では、歯科往診の利用者はまだまだ少ない。歯科往診の地域でのサービスの実態や申し込みまでの手順、料金などの不安で、とまどったり諦めてしまっている場合が多い。 潜在歯科往診患者は実数として都内では10万人を超えるといわれている。ケアマネージャーを含む地域の介護関係者の理解が重要だと思われる。また歯科往診を行っている歯科施設でも、一度に効率よく診察できる老人施設には営業を含め積極的に売り込みを行っているのに対し、移動時間が長く非効率的な居宅への対応には消極的な場合がある。 実際の訪問歯科利用頻度は、ある都市のグループホーム26件では「定期的に利用」が100%となっており、有料老人ホームは29件のうち「定期的に利用」が27件、93・1%、「不定期・随時」が2件、6・9%であった。 このことからもわかるように、施設ではケアマネージャーやニーズに対応する職員が常駐しており、その対応も迅速である。事実、世田谷区では老人ホーム(特養や老健)にはほぼ100%歯科医療法人や歯科医院が関与しているが、居宅では口腔ケアや歯科治療の重要性を理解している、または積極的なケアマネージャーが歯科往診実施施設に問い合わせ、個人の尽力で多忙のなかセッティングを行っているため、供給が伴っていないのが現実である。蓮優会では、ケアネットから漏れた居宅中心の歯科往診を積極的に行っている。 3 高齢者の口腔内の特徴とケアのポイント 健康な人でも、歯や舌の表面や粘膜などに、数百万種類もの細菌がすんでいるといわれている。また、細菌の種類は体調やホルモンの変化によっても変わるといわれている。 お口の中の細菌はだれもがもっているものであり、健康で正常にコントロールされていれば、異常に増えることはない。 しかし、高カロリーでやわらかい食事が多い現代人は、昔の人に比べるとお口の中の細菌は増加傾向にあるといわれている。 さらに、お口の衛生状態がよくない高齢者では、若い人よりもたくさんの細菌がみつかるといわれている。そして、お口の細菌が誤嚥性肺炎の原因になることもある。お口の中の細菌を増やさないためにも、口腔ケアをしっかり行うことが大切である。 また他の臓器と同じように、口の中(口腔)も加齢に伴って変化が見られる。また、それによって、さまざまなトラブルも起こりやすくなる。 ・歯…黄色くなる/すり減って短くなる/もろくなる/ひびが入る。 ・歯肉…縮んで弾力性がなくなる/歯が長くなったように見える。 歯と歯の間にものがつまりやすくなる。むし歯になりやすくなったり、義歯の安定感が悪くなったりする。 ・くちびる…萎縮して弾力性がなくなる。 口を大きく開けにくくなり義歯が出し入れしにくくなる。口角びらんを起こしやすくなる。 ・唾液腺…萎縮して、唾液の分泌が低下する。 自浄作用が低下するので、口の中が汚れやすくなる。咀嚼や嚥下障害を起こしやすくなる。 ・味覚…味蕾の萎縮、口の中の乾燥、薬の服用などにより味覚が変化する。 ・感覚…鈍くなる。 自覚症状が乏しくなり、発見が遅れて症状が悪化しやすい。 こうした変化があることをふまえて口腔ケアを行うことが大切である。 ○Point1 高齢者の口腔内の状態 体のほかの部分と同じように、口の中にもさまざまな老化現象が起こっています。唾液の分泌量の減少、歯の摩耗、歯茎のやせ、あごや舌の運動機能の低下などによって、高齢者の口の中はトラブルを抱えやすくなっています。多かれ少なかれ、高齢者は口の中にはなんらかのトラブルがあるといっても過言ではありません。特に介護が必要な高齢者の場合、他人の口の中はなかなかのぞきにくいために、状態が把握しづらいもの。けれども、気づかずに放っておけば、トラブルは大きくなり、食べたり話したりという口の機能が衰えたり、体力が低下したりします。 <高齢者に多い口のトラブル> ・むし歯 ・歯石、歯垢 ・歯周病 ・口内炎 ・入れ歯が合わない ・舌苔 ・ドライマウス ・きつい口臭 など ○Point2 高齢者に多い「誤嚥性肺炎」 日本人に多い死因として、がん、心筋梗塞(虚血性心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)に次いで、肺炎・気管支炎が挙げられます。特に肺炎と気管支炎による死亡の9割は65 歳以上の高齢者であるため、肺炎は高齢者の健康管理にとって最も重要な課題です。 高齢者の肺炎は、口の中の細菌などが誤って肺に入って発症する「誤嚥性肺炎」の割合が高いといわれ、脳血管障害が多いこととも大いに関連しています。大脳の基底核は生命活動に重要な誤嚥反射や咳反射などを司っているので、ここに病変や障害があると誤嚥反射や咳反射などが阻害され、気道に異物が入るのを排除できずに誤嚥を起こしてしまうのです。 また高齢者の肺炎の原因は、気づかないうちに唾液や胃液などが肺に入る、「不顕性誤嚥」が多いといわれます。認知症、神経病、高齢化が進むと、誤嚥は起こりやすくなるのに咳反射は弱くなり、誤嚥した物を吐き出すことができなります。誤嚥性肺炎を起こした人の多くは、本人も気づかない、寝ている間に誤嚥を起こしています。 ○Point3 口腔ケアでインフルエンザを予防する 免疫力が低下している高齢者にとって、冬場のインフルエンザの感染は大きなダメージとなりますので、特に注意が必要です。 一般的に、老若男女を問わず、インフルエンザの予防対策として手洗いとうがいが奨励されていますが、口腔ケアをきちんと行うことも、予防効果につながるのです。 お口はウイルスの入口でもありますが、口の中が清潔に保たれていれば、ウイルスや細菌が体内に入ろうとしたときに、唾液に含まれる抗菌物質が侵入を防いでくれます。 しかし、口の中が汚れていてはこの抗菌物質も十分に力を発揮することができません。口の中に入ってきたウイルスなどを洗い流すためには、お口を清潔にして唾液の出をよくする必要があり、そのためにも口腔ケアは大切です。 また、お口の健康がしっかり保てれば、自分の口でしっかり食事をとることができ、体力や免疫力の低下を防ぐこともできます。 ○Point4 ドライマウス(口腔乾燥症) 最近、「口が渇いてしかたがない」と、慢性的な口の渇きを訴える【口腔乾燥症(ドライマウス)】が、中高年の人々に増えています。唾液が少なくなると、「しゃべりづらい」「食べ物が飲み込みにくい」「味覚がわからない」といった症状が現れ、口臭や歯槽膿漏、虫歯などの病気にもかかりやすくなります。 ・原因 通常、唾液は1日に1000〜1500mL 分泌されますが、加齢と共に分泌量は減っていきます。慢性的に唾液が不足すると、食べ物が飲み込みにくくなったり、舌に痛みを感じるようになったりする「ドライマウス(口腔乾燥症)」になることもあります。 最近、年齢を問わずにドライマウスの症状を持つ人が増えていて、日本に推定800 万人いるとも言われています。加齢による唾液腺の機能の低下/口呼吸/精神的な緊張やストレス/やわらかい食べ物を食べることが多い/ 薬の副作用/糖尿病や腎臓病など病気によるもの/シェーグレン症候群という自己免疫疾患、などがあります。 ・症状 飲み込みにくい/舌が痛い/口の中がネバネバする/入れ歯がはずれやすい/味覚障害/歯周病や虫歯の 悪化など、さまざまな症状を引き起こし、口の中の違和感や不快感が常にあります。 ・治療と対症療法 原因を取り除くことが第一。原因となる疾患の治療や薬剤の中止、ストレス窓を開け、新鮮な空気を入れ換えることも有効です。 それでも改善されない場合には、対症療法として含嗽剤や人工唾液、唾液の分泌を促進する薬剤の投与、漢方薬を用いた治療が行われます。また、酸味のある食品(ビタミンC含有のキャンディなど)により味覚を刺激したり口の渇きを緩和するドロップを利用するのも有効です。 ○Point5 咀嚼(噛むこと)の重要性 咀嚼(噛むこと)にはたくさんの効果があります。噛むことで分泌される唾液には、食べ物の残りかすやバイ菌を洗い流し口の中をきれいにする効果もあり、虫歯や口臭の予防につながります。また、噛むことは筋肉や下などを意識的・反射的に反応させ、脳や身体に刺激を与えるので、脳の老化を防ぎ、運動機能を高めます。 あごを動かすことが脳への血の循環を促進することも、MRIを用いた実験で確認されています。そして、食事をおいしく味わうことは、楽しい人生を送ることと同時に、全身の健康状態を維持回復するのです。歯科検診や歯科治療を受けて、寝たきりでもしっかり噛めるようにしましょう。 <咀嚼のすばらしい効果> (日)がんを防ぐ(月)ボケない(火)糖尿が防げる(水)虫歯にならない(木)口臭を防ぐ(金)骨粗しょう症の予防(土)姿勢がよくなる (祭)アトピーを防ぐ(祝)視力がよくなる (自)積極的な性格になる(至)内臓が若返る (代)食欲が増す(吸)太らない ○Point6 入れ歯と賢くつき合う法 「 入れ歯がゆるくてはずれてしまう」「入れ歯が浮いて、噛むときにこすれて歯肉が痛い」「金具があたって痛い」など、入れ歯について悩みを抱えている人は多いようです。 <合わない入れ歯の弊害> 合わない入れ歯を使い続けていると、体にさまざまな悪影響を及ぼします。 1) 痛くて食べられない 不快感や痛みから、食べられなくなり、食べる楽しみを奪ってしまいます。 2) 体力・免疫力の低下 食べられなくなれば、エネルギー不足となり、体力や免疫力も低下します。 3) 口の機能が弱くなる 口を動かすことに苦痛を感じ、話したり食べたりしなくなると、口の機能が低下します。 <入れ歯の定期健診を> 入れ歯は一生モノではありません。あごの骨や歯肉、歯の状態は生理的に変化するため、合わなくなってきます。違和感を感じたら、歯科医に相談し、微調整を。また、不具合がなくても、半年から1年に一度の定期健診をオススメします。 ○Point7 口腔ケアをするときのチェックポイント 口腔ケアをするときは、初めに口が十分に開くかどうかを確認してください。十分に開かなかったり、大きく開こうとすると顎の関節に痛みがあるようなら、何らかの原因が考えられるので、専門医に相談しましょう。また、義歯ははずしてから行います。 【歯】色、動揺度、かみ合わせの状況、虫歯の有無、汚れなどをチェック。 【歯肉】健康な歯肉はピンク色で堅く引き締まっていますが、歯周疾患があると赤く腫れぼったく、少しさわると出血します。軽度ならば正しい歯磨きで改善できます。 【粘膜】通常は暗赤色。びらん、潰瘍の有無を観察。 【口唇(くちびる)】色の変化、びらん、潰瘍の有無を観察。 【舌】健康な舌は淡紅色。白い膜状の舌苔で覆われることも。腫大がないか、舌運動の異常がないかもチェック。 【口臭】原因は口腔内だけでなく、鼻咽腔の炎症、呼吸器官や消化器官とも関係があるので、慎重に調べましょう。 ○Point8 上あごと舌のケア 口腔ケアは歯や歯肉のブラッシングだけではありません。口の中で大きな面積を占めているのは上あごと舌であり、ここの汚れが口臭の原因にもなります。 舌には古い細胞や細菌がつきやすいのですが、普通は食べたり話したりして舌が動いているうちに、ある程度は落ちてしまいます。しかし、加齢などで舌の動きが鈍くなると、汚れがついたままになり、舌と接する上あごにもその汚れがつきます。 ○Point9 舌と上あごのお手入れ法 歯ブラシを使って、舌の上を奥から手前に10回、上あごも奥から手前に10 回、力を入れすぎずにかき出します。一度できれいにならなくても、毎日続けて少しずつ落としておきます。口の中が乾燥しやすい人は、粘膜を傷つけないように、口に少量の水を入れて湿らせてから行います。専用の舌クリーナーや粘膜用ブラシも市販されています。 ○Point10 高齢者の口腔ケアに必要な安全な体位のとり方 1)「自分で歯を磨くことができる」方 移動時の介護や物品による介助でケアを促すことができます。歩行可能な方には椅子を用意したり、立っている時に後ろから支えてあげるよう気を配りましょう。また車椅子で行う時は足に力が入るよう足台を用意したり、車椅子用のテーブルに肘を乗せるようにします(図1)。 さらにベッドで行う時は上体を起こし、膝の下にクッションなどを敷き膝を曲げるようにすると楽に姿勢を保つことができます。この時も車椅子と同様ににテーブルを使って肘を安定させるとよいでしょう。テーブルを使用する場合は、テーブルの手前側が胸の直前に来るようにしましょう。 2)「自分で磨くことができない」方 安定した体位を確保し介護者がケアを行います。椅子に座らせケアを行う時は介護者が後方に立ち、介護者の胸で頭を支えるようにします。 またベッド上のケアでは、掛けふとんを背もたれになるよう置き、ベッドの脇にお年寄りを座らせケアを行います。この時ベッドの枠を持つように促し、床に足がつく状態にしておくのもポイントです。 3)「自分で磨けず、体位もとれない」方 寝床の中でケアを行います。その際、誤嚥しないようベッド上で体全体を横に向けたり、舌が床と平行になるくらいの角度まで上体を起こした姿勢でケアをするようにしましょう。 実際は寝たきりの生活者を急に起こすことはむずかしいため、徐々に10 度から15 度くらい起こすことから始めていくのが望ましいでしょう。 ○Point11 感染症をもつ人の口腔ケア 口の中にはたくさんの細菌が繁殖していますが、感染力は弱く、口腔ケアの際に健康な介護者が唾液や血液に触れても、洗い流せば細菌も落ち、健康に悪影響を及ぼすことはほとんどありません。B型肝炎やC型肝炎、HIV(エイズ)、結核などに感染している人の介護を行うときは、感染予防のための注意が必要ですが、正しい知識をもって接すれば、むやみにおそれなくても大丈夫です。 唾液や血液中の細菌やウイルスは、おもに傷口などから体内に侵入しますが、皮膚が健康ならば洗い流せば落ちます。口腔ケアでは指をかまれて傷を負うこともあるかもしれないので、使い捨ての手袋を使用しましょう。ケアが終わったら手袋を捨て、石けんを使って手と指をていねいに洗います。歯ブラシは流水でよく洗い、水を切って乾燥させ、ときどき熱湯をかけて消毒します。コップや受け皿なども清潔にしておきましょう。 感染症をもつ人は免疫力が落ちていて、ほかの感染症にもかかりやすいので、介護者からうつすことがないよう、感染予防を徹底させましょう。 ○Point12 痛みを伝えられない人の口腔ケア 口の中の痛みは、何からのトラブルを抱えているサイン。その原因を知ることが大切ですが、認知症や病気や障害などによって、痛みを自分ではっきり訴えることができない人もいます。 その場合、状態の悪化を防ぐためには、口腔ケアの介助者が、口の中の様子や口腔ケアを行うときの顔の表情や反応などを注意深く観察して、専門家と連携をとる必要があります。 口の中の痛みの原因となる、主なものは次の通りです。 ・歯肉炎・歯周病<症状>歯肉の赤みや腫れ、口臭、歯石・歯垢の付着<反応>口腔ケアを嫌がる/歯ブラシを手で払ったり顔を背けたりする/歯ブラシに血がつく ・口角炎<症状>口角のただれ、出血<反応>大きく口を開けない、長時間開けられない/歯ブラシが口角に触れると痛がる、顔を背ける ・口内炎<症状>口腔粘膜が赤い/ただれ<反応>歯ブラシを口に入れるのを嫌がる/歯ブラシに血がつく/刺激味の食べ物・飲み物を嫌がる ・ドライマウス<症状>痰や舌苔の付着、口腔粘膜の赤みや乾燥<反応>口腔ケアを嫌がる/顔を背ける ○Point13 口腔ケアの介助のポイント 寝たきりだったり、体に障害や麻痺があったりして、自分で口腔ケアが十分にできない方には、口腔ケアの介助が必要な場合があります。口腔ケアの介助の基本は他の介護と同じで、プライドを傷つけないようにさりげなくサポートします。 <介助のポイント> 1.できることはなるべく本人が行う 本人ができることは、なるべく本人にやっていただきます。歯ブラシを持って手を動かすことはリハビリにもつながります。 2.安全な口腔ケアを行う 水や唾液が気管支や肺に入らないような姿勢をとらせ 声をかけて意識をさますなど、誤嚥に注意して行います。 3.生活のリズムをつくる 朝起きたら、顔を洗って歯を磨くというように、口腔ケアを1日のリズムに組み込んで、高齢者の生活にメリハリをつけましょう。 4.無理強いはしない 体調や悪いときや嫌がるときは、無理強いは禁物。1日くらい磨かなくても問題ないとおおらかに 構えることが長続きさせるコツ。 口腔ケアの介助は、高齢者がいちばん慣れている人が行うことが理想的です。 ○Point14 正しい口腔ケアでQOLを向上させよう! 口腔ケアは、口のトラブルの予防だけではなく、食べることや話すことをサポートし、生活にリズムをつくって、QOL(生活の質)を向上させる目的もあります。 自分の口で「おいしく食べる」ことは大きな楽しみであり、生きる意欲にもつながるのです。また、脳や体も元気にします。 ・抵抗力がアップする 唾液には汚れを落とす洗浄効果があり、抗菌物質も含まれています。口の中がきれいになれば、唾液の出もよくなり、口から入った細菌やウイルスが体内に侵入するのを防ぎます。 ・噛むことが老化防止になる! 噛むことは脳への血流を増やし、脳の動きを活性化します。実際に、認知症の人ほど口の中にトラブルをかかえ、噛むことができない状態が多いという報告もあります。つまりよく噛むことで脳の若さを保ち、認知症の予防につながると期待されています。 ○Point15 こんな症状は要注意! 介護が必要な高齢者の多くが、口の中のトラブルを抱えています。しかし、口の中を無理やりこじ開けてのぞき込むわけにもいかず、異変に気づきにくいものです。口の中が見えなくても、次のような症状があったら、早めに歯科医に相談しましょう。 ・口臭:きつい口臭は口の中が汚れていることが原因の一つ。膿のようなにおいのときは、むし歯や歯周病の可能性あり。 ・話し方や食べ方:入れ歯がはずれやすくなった、噛みづらそう、食が細くなった、濃い味を好むようになった、むせやすくなった、言葉がはっきりしなくなった、などは、口のトラブルが原因していることも……。 ・体力:元気がない、風邪をひきやすい、よく熱を出す、などの症状も要注意。体力が落ちると口の中の細菌が増えやすくなったり、誤嚥性肺炎にかかりやすくなったりします。 ○Point16 口腔ケア法の再チェック ・日常生活から口の中の状態を観察:口を開けてのぞかない限り、口の中の異常はなかなか気づきにくいものです。日常の様子に気をくばり、次のような症状が見られたら、口の中にトラブルのある可能性が高いので、口腔ケアを見直し、歯科医に相談しましょう。 ・こんな症状は要チェック: ・口臭がきつい ・歯肉からよく出血する ・歯がぐらぐらしたり、歯が抜けてしまった ・入れ歯が黒ずんできた ・口を動かすと入れ歯がはずれやすい ・食べたり飲んだりするとむせやすい ・食が細くなった ・濃い味を好むようになった ・熱を出したり、風邪をひいたりしやすくなった ・寝つくことが多くなった ・口数が少なくなった ・表情が乏しく、閉じこもりがちになった ・痴呆症状がある ・糖尿病がある ・麻痺などの運動障害がある ○Point17 口内炎の原因 口内炎は、唇、頬、舌、歯肉などの口腔内の粘膜に起きる炎症のことです。赤くなる程度のもの、ただれや潰瘍、水疱などができるもの、痛みが強いものなど、症状や種類はさまざまです。 <口内炎ができやすい状況> 1.食事の嗜好や習慣・熱いもの、硬いもの、辛いものを好んで食べる・喫煙する・偏食・歯ブラシの使い方が悪い 2.口の中の状態・口腔内が不衛生・歯の詰め物や義歯による刺激・噛み合わせが悪い・ドライマウス 3.全身からくるもの・ストレス・栄養が偏っている・睡眠不足・疲労・アレルギー・感冒・ステロイド薬の服用など 口内炎はそのままにしておいても、通常は1 週間から10日間くらいで自然に治ります。けれども、1 ヵ月以上治らなかったり、頻繁にくり返す場合は、他の病気が原因になっていることも考えられますので、専門医に相談しましょう。 ○Point18 義歯性口内炎とその予防法 義歯によって口の粘膜が継続的に圧迫されたりこすれたりすると、発赤や炎症、潰瘍などができ、口内炎の原因となります。また、義歯の裏側の歯肉と接する部分に歯垢(デンチャープラーク)がつき、そこに「カンジタ」という真菌が増殖して、口内炎を引き起こすこともあります。 おもな症状は腫れや痛み、出血、味覚の変化などで、傷口にしみたり、味覚が変わったりすることもあります。 義歯性口内炎を予防するためには、「義歯が合わない」などの不具合をしっかり調節するとともに、義歯と歯肉の両方をしっかりブラッシングして、口の中を常に清潔に保つことが重要です。歯が1本もなくても、歯肉のブラッシングをする必要があります。 義歯はできれば毎食後少なくとも1日1回はブラシで洗って食べかすなどを取り除きます。ブラッシングだけではカンジタ菌を落としきることはできないので、2〜3日に一度は義歯洗浄剤に浸けるようにします。そして夜間などは義歯をはずして歯肉を休ませることも、義歯性歯肉炎の予防につながります。 ○Point19 入れ歯の不具合の原因 入れ歯が口の中でしっくりこない、痛みを感じるという場合には、おもに次のような原因が考えられます。 ・歯茎と入れ歯が密着していない:歯を失うと、土手と呼ばれる歯茎がやせて、でこぼこになることがあります。でこぼこがあるとすき間ができて入れ歯が密着しにくくなり、特定の部分にばかり力がかかって、入れ歯が当たりやすくなることがあります。 ・噛み合わせるときのバランスのずれ:食べ物を噛むときには力がかかり、入れ歯で歯茎がぐいっと押されます。歯茎に均一に力がかかっていればよいのですが、バランスがずれると、力がかかっている部分に噛むたびに痛みを感じます。 ・老化によるお口の状態の変化:歯茎がやせて粘膜が薄くなると、クッション効果が少なくなるために、入れ歯が直接当たりやすくなります。また、老化によって唾液の分泌が減ると、口の中の潤いが少なくなって、粘膜が傷つきやすくなります。 痛みがずっと続く場合はがまんしないで、歯医者さんに相談しましょう。 ○Point20 入れ歯のお手入れ法 入れ歯は人工の歯なので、むし歯にはなりません。けれども、きれいに見えても細菌が付着していますし、汚れたままにしておけば、口臭の元となったり、黒ずんできたりしますから、長持ちさせるためには、正しいお手入れは必要です。歯みがきのように毎食後に洗うことが理想的ですが、せめて寝る前に1日一度はていねいに洗いましょう。 毎日のお手入れは、入れ歯専用ブラシを使って水で洗い流します。眠るときは、洗った後に水の中に入れて保管します。清潔に保つために、水は毎日取り替えてください。そして、3日に一度は入れ歯専用の洗浄剤の溶液につけてお手入れしましょう。 洗浄剤で汚れを浮かし、その後ブラシでこすって、流水で洗浄剤と汚れを洗い流します。熱湯や漂白剤につけるのは変色や変形のもとになるので避けてください。また、乾燥も変形のもとになるので、必ず水の中に入れて保管しましょう。 ○Point21 口腔リハビリテーション 同じ医療といっても、歯科のような生活の質にかかわる医療の場合、長い年月にわたって徐々に機能が失われた人や、入院加療を境に自分の口から食べることを諦めることになった人の場合には、高齢者自身が医療ニーズを自覚していることはむしろ少ない。高齢者医療の専門家(竹内孝仁国際医療福祉大学教授)によれば、胃瘻造設要介護者のほとんどは口から食べる機能回復が可能だという。 たとえば胃瘻は、口からの十分な栄養摂取ができない要介護者に必要な処置である。胃瘻造設によって嚥下困難要介護者の場合には、介護が格段に楽になるという側面もある。しかし胃瘻を造設したからといって口から食べていけないわけではないのに、多くの胃瘻造設者は口から食べるリハビリを受けていない。胃瘻造設者は、自分の口でおいしくものを噛んで味わう可能性に気がついていないが、「口から食べるニーズ」がないはずはない。この眠っているニーズを目覚めさせることが重要だろう。 要介護高齢者の歯科的ニーズは、全要介護高齢者の少なくとも50%に定期的口腔ケア・食支援、全要介護高齢者が求められ、全介護高齢者の約20%に摂食嚥下指導が必要と試算されている。 ○Point22 口腔リハビリテーション 咀嚼のリハビリ 口腔リハビリテーションは、病気、障害、老化などで動きが低下した口の機能の回復や、これ以上の低下を防ぐことを目的に行う、お口のリハビリです。症状ごとに方法はさまざまですが、自分でも簡単にできるので、試してみてください。 <よく噛むためのリハビリ> 上手にものを噛むためには、舌やほおの動きが大切です。これらの動きがよくないと、歯があってもうまく噛めず、口の中でもぐもぐしてしまいます。舌やほおのストレッチで、口の動きをしなやかにしましょう。 <口のストレッチ> ・舌を出したり引っ込めたりする。 ・ほおをふくらませたり、へこませたりする。 ・舌先を左右の口角につける。 ・舌先を唇の上と下につける。 ・口の中にスプーンを入れ、ほおの内側から外側に軽く押して、ほおの筋肉でスプーンを押し戻す。また、首を前後左右に倒してストレッチし緊張をやわらげると、舌や喉の動きがなめらかになります。 ○Point23 口腔リハビリテーション(月) 嚥下のリハビリ ふだん私たちは、食べ物を飲み込む瞬間は気管に入らないよう無意識に息を止めています。しかし、呼吸のコントロールがうまくいかないと、息を止めることができずに吸い込みながら食べてしまい、誤嚥が起こるのです。 誤嚥は窒息や肺炎の原因になります。安全に食べるためには、呼吸のコントロールが重要です。・飲み込みのリハビリ 誤嚥しそうになっても、むせて吐き出すことができれば大丈夫。むせることは反射的に食べ物を吐き出そうとする防御反応なのです。正しくむせるには、お腹に息をため込んで、思い切り吐き出します。 <深呼吸とせきの練習> 深呼吸をして、いったん息を止めた後、エッヘンとせきをして息を吐き出します。これを何度かくり返します。 <腹式呼吸の練習> うつぶせに寝て、自分の体の重みを利用し、5〜10分、おなかを意識して呼吸します。ただし、自分で寝返りができない人では注意が必要です。 ○Point24 口腔リハビリテーション 歯ブラシでリハビリ 口腔ケアの基本は、歯と歯肉の間のブラッシング、つまり、歯みがきですが、歯みがきはただ口の中をきれいにするだけではありません。歯肉や舌やほおなどに歯ブラシで軽く刺激を与えることが、口の中のリハビリにもなるのです。口は食べ物のかたさや形、性状、味や温度などを感じるとることができる、とても敏感な感覚器です。ブラッシングの刺激によって、血行もよくなり、感覚機能の低下も防げます。 <歯ブラシを使ったハビリ方法> ・歯ブラシの毛の部分で、舌の表面や縁をトントンと軽く叩いて、感覚を刺激します。 ・歯ブラシで舌を下に押さえつけると、舌がその力に反発しようとするので、筋力アップにつながります。 ・電動歯ブラシのスイッチを入れてブルブルさせながら、ほおの内側や舌、歯肉に当ててマッサージすると、血行がよくなります。ほおの内側は粘膜が傷つかないよう、歯ブラシの毛ではなく背の方を当てます。 ◆最後に これらのことから、要介護者にとって重要なことは適正な口腔ケアと機能リハビリ、そして地域医療連携と高齢者が使いやすいネットワーク作りだと思われる。施設から居宅まで網羅できる地域医療の構築が急がれる。 参考文献:『都市圏における訪問歯科診療の利用実態と考察』『theQuintessence』など